自転車で四国一周 〜6日目〜 (最終日)

~6月5日(月) 6日目~

 

朝は、早く目が覚めた。4:30頃だったと思う。空を見上げると、雲の間から青い空が見えていて、とても綺麗だった。涼しいと寒いの間くらいの気温だったと思う。この日の夜には、愛媛でフェリーに乗りたかったので、急いで朝ごはんのフルグラを食べて出発した。道をiphoneのGooglemapで確認しながら進んでいったが、四万十川と書かれた石碑までは遠くはなかった。道沿いから見える四万十川はとても綺麗だった。しかも、朝の6時台で、小鳥や動物の鳴き声がしながら走るのはとても気持ちよく、落ち着くことができ、最高の時間だった。森や森にいる動物たちと会話しながら走った。そうすると、すぐに佐田沈下橋に着いた。沈下橋の写真を見たときは、落ちないか不安だったが、思ったより、道幅も広くて、自転車が通るには十分すぎた。車は危なそうだ。渡ると、まだ朝で誰もいないので、最高の四万十川の景色を一人で味わうことができた。そして、また森の中の道を進んでいく。早朝で空気の澄んだ森の中を走れて、僕のテンションは上がっていた。幸せな気分だ。次は三里の沈下橋に着いた。そして出発し、高瀬沈下橋、勝間沈下橋と進んでいった。その次の口屋内沈下橋は、橋が崩れているそうで、渡ることはできなかった。そして、ようやく出発から2時間半、8:30頃に岩間沈下橋に着いた。(ここから、1年半ぶりに書きます。)そこでは、河原で、水切りをした。早朝誰もいない中、鳥のさえずりと木々の揺れる音、透き通った水と綺麗な空気の中での水切りは格別だった。

 

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岩間沈下橋

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朝の四万十川

そして出発。次の目的地は、下灘駅だ。やはり、早朝に四万十川の側を自転車で走るのは、気持ちが良く、速く進むことができた。途中で、道の駅「よって西土佐」に立ち寄った。そこでは、四万十のぶしゅかんドリンクを飲み、それから鮎を食べた。鮎は、2017年で初めて漁れた鮎だったので、1匹、5~600円の金額がした。焼けるのを待つ間、鮎の店のご主人から、勾配の少ないルートを教えて頂いた。鮎は、美味しく、また四万十川の鮎を食べられて、満足だった。そして出発。だが、僕の体は、もう何日も走っていて、さらには食料はフルグラだけの生活だったので、疲労はピークに達していた。なので、途中でまた、道の駅「日吉夢産地」で休憩した。そこでは、少し背伸びをして、ドデカミンのジュースや、少しの食料を買った。そして休憩していると、なんと、足摺岬で会った、台湾のツーリングの団体の方々に再び会った。再会を喜んでいると、欲しい物を買ってあげると言われ、たくさんのパンを買ってくれた。そして、すぐにツーリングの方達は出発していった。誰かもわからない若者に、食べ物を恵んでくれるなんて、とてもありがたく、感謝しかない。その後、僕は、店の外に居たおじさんと話をした。話した内容は忘れてしまったが、その方は、優しく、愛のある方だった。気がつくと30分くらい経っていたので、僕は、急いで別れを告げて、出発した。夜のフェリーに乗り遅れないように、急がないと、と思っていたのだが、体はなぜか疲れず、スイスイと走れた。疲れた時は、休まずに無理をして進むのではなく、しっかり休息をとって、しっかり食べた方が結果的に、うまく行くということを学んだ。そしてすぐに下灘駅に着いた。景色は綺麗だった。九州がうっすらと見えた。

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灘駅


駅には、らぶらぶベンチという、2人座るとくっついてしまうベンチがあった。いつか、愛する人と行きたいと思う。駅の外にはコーヒー屋があった。お店の人に水を恵んでくださいとお願いをすると、ありがたいことに、無料で、たっぷりの氷水をくれた。その方に、深く感謝し、出発。次の目的地は、愛媛県庁、松山駅道後温泉だ。海岸線は開放感があって、走るのが楽しく、スイスイ進める。あっという間に着いた。

 

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愛媛県庁 (石碑は無いそう)

道後温泉では、女性に声を掛け、写真を撮ってもらった。

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道後温泉


その時、なぜか周りは、騒がしかった。聞くと、フジテレビの生中継をこれからやるそうなのだ。地元の人達が集まっている所を撮るそうだ。アナウンサーの木村拓也さんという方がいた。なので、せっかくなので、僕も参加した(自転車付きで)。僕が金髪だったからか、周りの人達から、少し避けられた感じがした。その後、周りを散策していたら、僕と同じサイクリストを見た。自転車で旅をしているように見えたので、声を掛けてみたら、その方は、これから四国一周をするそうだった。話をしていると、一緒にご飯を食べようという事になり、商店街の中にあるお店に入った。なんと超絶豪華な、鯛飯を奢って下さった。さっき会ったばかりなのに、ここまでしてくれるなんて、ありがたすぎる。初対面にも関わらず、打ち解けて、お話ができて、最高の時間だった。その後、一緒に道後温泉に入った。久しぶりに入る道後温泉は、気持ちが良く、昔の時代を感じた。そして、礼を言って、その方の幸運を祈り、別れた。僕も、フェリーの出航時刻が近づいていた為に、急いでフェリー乗り場まで向かった。その途中で、街灯もとても少ない住宅街に入った。前の自分だったら、とても怖くて一人では到底走れなかっただろうけれど、今回の旅で、真夜中に1人で峠越えをしたこともあってか、全く怖くなかった。そしてフェリー乗り場に到着し、出港。あっという間に、四国の街は見えなくなった。これで僕の四国一周の旅は終わった。

 

そういえば、帰り道、道後温泉の商店街を抜けようと歩いていたら、なんと足摺岬と道の駅「日吉夢産地」で会った、台湾のツーリングの方達に、更にまた会った。3度目の出会いだった。その中の1人の男性に、「いい旅になったね」と言われた。これまでの四国一周の旅で感じた全ての僕の気持ちを、優しく包んでくれたような、そんな言葉に感じて、胸の奥がジーンとした。その時は、急いでいたから、「ありがとうございます」と頭を下げることしかできず、話はできなかったけれど、ずっとその言葉が頭から離れなかった。人生ってこういうものなのかなぁ。SNS等の機械を通してでは得られない、人間間の繋がりを感じた。台湾の方達のように、国籍は違えど、住む場所は違えど、皆同じ命で、いまをこの地球で生きている。根っこでは皆繋がっていて、みんな家族なんだ、そんな事をいま書いていて感じた。困っている人がいたら、助け合って生きていきたいと思う。この旅での、奇跡のような出会いの中で、多くの人の優しさや、愛を感じれたことは、より自身の人生を豊かにしてくれたと思う。

四国一周での経験や、感じた思いは、これからもずっと、僕の心に在り続けるだろう。