自転車で四国一周 〜5日目〜

~6月4日(日) 5日目~

 

朝は、4:45くらいに目を覚ますと、同じく野宿していた人がテントを片付けたり、体育会系の小学生の団体が点呼をしたりしていた。野宿していた人をよく見ると、全身白い服を着ていたため、一瞬でお遍路さんだとわかった。僕は、お遍路さんと話してみたかったので、飛び起きて、急いで寝袋とマットをたたんだ。と同時に、軍隊みたいな朝礼をとっている小学生の団体を見てとても新鮮だった。荷物をまとめると、急いでお遍路さんの所へ向かった。そして、話をした。話を聞くと、この方、50歳で、今まで飲食店や不動産などの会社を4つ程経営していたそうだ。それに、海外にも100か国くらい行って、いろいろなことをしていたそうで、他にやることが無くなったからお遍路をしているそうだ。軽い気持ちで目的も無くして始めたそうで、重い気持ちで始めて目的のある、例えば子供を亡くしたとか、そういう人とはなかなか話が合わないようだ。驚いたことは、尾崎豊さんとはよく飲んでいたり、X JAPANのToshlさんが洗脳された洗脳組織のリーダーとは、不動産関係の友達だったそうだ。このお遍路さんからは、成功哲学をエレスカレーターに例えて教えてもらった。何事も、自分で決めた以上は成功するまで諦めないことが一番大事だそうで、あと少しで成功するというところで諦めてしまうという人は多いそうだ。いろいろなことをしたいなら、一つ一つ、成功してから次のことをやったほうがいいと。1時間近く話をした。直々に成功した人から話を聞くことができて、とても貴重な時間だった。その人と、別れた後、僕は朝飯を買って食べながら話をすれば良かったと思いつつ、急いで、近くのローソンまで走って朝飯を買いに行った。そして急いで食べて出発した。その日はかなり暑かったために、途中たくさんの自販機で飲み物を買ってしまった。道に迷って先に行ったり戻ったりしながら、まずはなんとか四万十川の橋を渡ることができた。そこから足摺岬まで約39kmだ。時速20kmペースで行くと2時間で余裕で行くだろう。だが、ここからがとてもきつかった。10:30位に四万十川を通って、足摺岬に着いたのは14:30位だ。おそらく体力的な疲労もかなりあったのだろう。予定と全く合わず、パニックになりつつある自分がいた。12時ごろ、とてもお腹がすいてきたので、びわの木はないかと探していたら、かなり大きい柑橘系の果物が生っている木が人の畑かどうかわからない所にあって、僕はその果物を一つ取った。そして出発しようとすると、なんと前輪がパンクしてしまっていた。僕は、おそらく罰が当たったんだなと思いつつ、予定通りに全く進んでいないこともあり、かなり焦りながらパンク修理をした。徳島の方でパンク修理をした際に、タイヤレバーを折ってしまったこともあり、作業は難航した。おそらく1時間近くかかってしまったと思う。そしてなんとかパンク修理を終え、出発した。そしたら、先ほど見たバイクがもう引き返していた。いくらなんでも、早くないか?と思ったが、僕が遅いだけなのかもしれない。横を過ぎ去っていく車やバイクをとても羨ましく思った。だが、自転車に乗ることからしか見えない景色もあるのかもしれないと思い、先を急いだ。

途中、清水の名水と呼ばれる湧水があったので、立ち寄った。土佐の3名水の内の1つだそうだ。喉が乾いていた僕には、最高の水分になった。そして、上り坂や下り坂を越えながら、やっとの思いで足摺岬にたどり着いた。何度か引き返そうと思ったが、自分で行くと決めたので頑張った。そこには、地球が丸いことがはっきりとわかる、最高の景色が待っていた。僕はここまで自分の力で来ることができた自分はすごいと思った。お姉さんたち灯台で写真を撮ってもらった。そして、展望台では60代位のご夫婦や、台湾から来たツーリングの団体の方たちにも写真を撮ってもらった。帰ろうとしたら、先ほどのお姉さんたちが白川洞門にはいいた方が良いよと教えてくれたので、行くことにした。行くと決めたはいいものの、そこに行くまではとてつもないくらい急な階段を下りる必要だった。帰るときに大変そうやなと思いながら、降りた。降りるとそこには絶景が広がっていた。岩壁の下だけに穴がポッカリと開いているのである。地球の壮大さを感じた。そこの穴には波が押し寄せてきて、かっこよかった。僕はそこで、フェリー会社に1日だけフェリーを遅らすことを連絡した。そして城山洞門を出発。予想以上に上りの階段はきつかった。

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足摺岬



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城山洞門



 

次の目的地は四万十川だ。夕日が沈む前には、四万十川に行きたいと思い。急いだ。だが、朝飯はフルグラで、昼飯はまだ食べていない中で、もうすでに4時であったため、漕ぐエネルギーは無かった。そういえば、これまでの旅で肉を食べていなかったと思い、ほっともっとで玉ねぎと肉の入った丼を食べた。自転車を中に入れることができると思ったが、衛生上良くないのでダメと言われたので、外で座って食べた。とても美味しく、一気に食べると、エネルギーが湧いてきた。そして、出発した。自転車を走っていると、目の前に太陽があった。ということは西に進んでいるのだ。僕はこの道で合っているのかと疑問に思い、前から走ってきた中学生位の男の子に現在地を聞いてみたら、ここを真っすぐ行ったらいいよと教えてくれた。なので、真っすぐ行ってみたが、何かが変だ。そして、もう一度自転車に乗っていた男性に尋ねた。すると、反対方向に行っていたことが分かった。僕はその方にお礼を言い、その方向へ急いだ。だがどの道を曲がればいいのかわからなくなり、また走っていたおじさんに教えてもらった。そして、ようやく進むべき道に戻った。あとは、四万十川までひたすら真っすぐ漕ぐだけだ。そう思い、僕は急いだ。すると、歩いていたおじいさんが話しかけてきてくれ、この道を行った方が近いよと教えてくれた。地図の表記には、この道は通らないことになっているのだが、地元の方が言うのだから間違えはない。その道を進んでみると、通る予定だった道よりも断然アップダウンも少なく、とても良かった。教えてくださった方に感謝だ。同じ道を帰っていく途中、行くときに寄った湧水にも、もう1回立ち寄り水を汲んだ。そして、パンクした場所も通り(記念に写真を撮った)、四万十川までたどり着いた。時計を見てみると、四万十川から、行きは約10:30から14:30の4時間、帰りはなんと、足摺岬16:30から四万十川が約19:00と、2時間半で来ることができたのだ。四万十川まで戻ってきた僕は、かなり疲れ果てていたので、寝る場所を探すことにした。なので、近くにあったJAに聞きに行って、店長さんに尋ねた。すると、すぐ近くにある東屋か、少し北にあるお堂を教えてくれた。そして、ローソンで夕飯を買い、早速お堂へ行ってみた。だが、お堂の周りは真っ暗な森で、街灯は一切無く、ものすごく怖かったので、東屋にすることにした。東屋へ向かう途中、歩いていたご夫婦にも訪ねたが、東屋かお堂しかなく、またお堂へ案内されたが、やはりかなり怖かったのでやめた。そして東屋へ向かった。着いた頃には、辺りは真っ暗で、空を見上げると、月が僕を照らしていて、とても綺麗だった。そして先ほど買ったご飯を食べていると、虫がとても多いことに気がついた。僕は、香川で風呂に入ってから一度も入っていなかったので、虫たちにとってはいい匂いだったのだろう。食べ終わると、急いで虫除けを買いに行った。レジでお金を払うときにお話をした店員さんはとても良い方だった。ローソンでは、入り口が2重になっていたため、自転車の鍵をかけずに済んだ。そして東屋へ戻った。友達のhide君や母さんに連絡したりしていたが、時間が結構過ぎてしまい、やめて、疲れ果てていたので、早くに寝ることにした。僕が寝た東屋は椅子の背もたれが格子状になっていて、よく外が見えなかったために、入念に東屋の周りをチェックして寝た。マットを敷き寝袋を敷いて中に入り、iphoneを見ていると、いつのまにか寝てしまっていた。確か、1時か2時か3時ごろに目を覚まして気がついて、慌ててしまい、バッグを寝袋の中に入れた。よく誰にも盗られなかったなととてもとてもホッとした。運が良すぎる。誰に盗られてもおかしくはない状況だったのに。そして就寝。

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四万十川の横にある東屋で野宿